スキンズゲームとは？コンペが盛り上がるルールとやり方

スキンズゲームってなに？

ゴルフコンペや仲間とのラウンドで、「いつもと違うルールで楽しみたいな」と思ったことはありませんか？そんな時におすすめなのが「スキンズゲーム」です。普段のゴルフとは一味違ったスリルと興奮を味わえる、人気のゲーム形式なんですよ。

スキンズゲームは、各ホールに賞金やポイント（これを「スキン」と呼びます）を懸けてプレーするのが最大の特徴です。賞金がかかっていると聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、仲間内ならジュースやお昼ごはんを賭けるだけでも十分に盛り上がります。プロのトーナメントでも採用されることがある、エキサイティングなルールなんです。

1ホールごとに勝敗が決まるスリリングなゲーム形式

スキンズゲームの基本的なルールはとてもシンプル。各ホールで最も良いスコアを出したプレイヤーが、そのホールに懸けられたスキン（賞金やポイント）を獲得します。 大事なのは、他の誰よりも良いスコアである「アウトライト（単独トップ）」でなければならないという点です。

例えば、あるホールでAさんがバーディー、Bさん、Cさん、Dさんがパーだった場合、バーディーを獲ったAさんがそのホールのスキンを総取りします。このホールごとの真剣勝負が、スキンズゲームの醍醐味と言えるでしょう。

引き分けは賞金が持ち越し（キャリーオーバー）

スキンズゲームが最も盛り上がるのが、この「キャリーオーバー」というルールです。もし、あるホールで最も良いスコアのプレイヤーが複数いた場合、そのホールの勝負は引き分け（プッシュ）となり、スキンは次のホールへ持ち越されます。

例えば、1ホール目に100円を賭けていて引き分けになった場合、2ホール目には1ホール目の100円が上乗せされ、合計200円を懸けて戦うことになります。引き分けが続けば続くほど賞金額はどんどん膨らんでいき、一つのパットが大きなプレッシャーと共に勝負を左右する、なんていうドラマチックな展開も生まれるんです。

なぜ「スキン（Skin）」？気になる言葉の由来

ところで、なぜ賞金のことを「スキン（Skin）」と呼ぶのでしょうか？その由来にはいくつかの説があり、はっきりとした答えは分かっていません。

有力な説の一つは、かつてアメリカで「スキン」が「1ドル」を意味するスラングとして使われていたことに由来するというものです。 他にも、昔の毛皮職人たちが自分たちの商品である毛皮（スキン）を賭けてゴルフをしたから、という説や、相手を丸裸（スキン）にしてしまうほど徹底的に打ち負かすことから来ている、なんていう面白い説もあります。

仲間と盛り上がる！スキンズゲームのやり方

スキンズゲームのやり方はとっても簡単。基本的にはいつものゴルフの準備に加えて、いくつかルールを決めるだけですぐに始められます。仲間とのラウンドが盛り上がること間違いなしの、簡単なステップを紹介します。

① 参加人数と1ホールあたりの賞金（スキン）を決める

まずはゲームの基本設定から。スキンズゲームは、3人以上でプレーするのが一般的です。 4人1組ならちょうど良いですね。2人でもできますが、引き分けが多くなりがちなので、3人以上がおすすめです。

次に、1ホールあたりに懸けるスキン（賞金やポイント）を決めます。金額はいくらでも構いません。1ホール100円でも良いですし、ジュース1本でもOK。参加者全員が納得する、無理のない範囲で設定しましょう。

② 各ホールで最もスコアが良い人が賞金を獲得

いよいよプレー開始です。各ホールで、他の誰よりも良いスコアを出したプレイヤーが、そのホールのスキンを獲得します。 もし同スコアでトップの人が複数いる場合は、そのホールのスキンは次のホールへキャリーオーバーされます。

キャリーオーバーが発生したホールを誰かが単独トップで制すると、それまでに積み立てられたスキンを全て獲得できます。この緊張感がたまりません！

③ 最終ホールの精算方法を確認しておく

意外と忘れがちですが、最終の18ホール目が引き分けだった場合の精算方法をスタート前に決めておきましょう。 これを決めておかないと、最後にモメてしまう可能性も…。

一般的なのは、以下のような方法です。

• プレーオフを行って決着をつける
• 18番ホールのスコアカードで、ハンディキャップが低いホールから遡って勝敗を決める（カウントバック）
• シンプルにじゃんけんで決める

どの方法にするか、みんなで話し合って決めておくとスムーズにゲームを終えられますよ。

スキンズゲームで勝つためのコツと戦略

スキンズゲームで勝つためには、通常のストロークプレーとは少し違った考え方が必要です。合計スコアを競うわけではないので、安定してパーを狙うよりも、バーディーやイーグルを積極的に狙う攻めの姿勢が勝利への鍵となります。

特に、賞金がキャリーオーバーされて高額になっているホールでは、思い切ったプレーが求められます。たとえ失敗して大叩きするリスクがあったとしても、そのホールを獲りにいく価値は十分にあります。逆に言えば、一つのホールで大失敗しても、次のホールで気持ちを切り替えてチャレンジできるのがスキンズゲームの面白いところです。

初心者でも楽しめる？ハンデの付け方

「スキンズゲームって上級者じゃないと勝てないんじゃ…」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ハンディキャップ（HDCP）をうまく活用すれば、初心者から上級者まで一緒に楽しむことができます。

一般的なのは、各プレイヤーのJGA/USGAハンディキャップや、その日のスコアで簡易的に算出する新ぺリア方式などでハンデを決め、ハンデが適用されるホールでスコアを調整する方法です。例えば、ハンデが「1」のプレイヤーは、コースのハンディキャップが1のホールでスコアから1打引くことができます。これにより、実力差があっても勝てるチャンスが生まれるのです。

プロも熱狂した「The Skins Game」の歴史

スキンズゲームは、アマチュアだけでなくプロの世界でも人気を博したゲーム形式です。特に有名なのが、アメリカのPGAツアーのシーズンオフイベントとして開催されていた「The Skins Game」です。

1983年に始まったPGAツアーのイベント

「The Skins Game」は、1983年から2008年まで、主に感謝祭の週末に開催されていたPGAツアーの非公式イベントです。 4人のトッププロだけが招待され、高額な賞金を懸けて戦うこのイベントはテレビでも放映され、多くのゴルフファンを魅了しました。

通常のトーナメントとは違うリラックスした雰囲気の中で、選手たちの会話や駆け引きが見られるのも、このイベントの大きな魅力の一つでした。

歴代の名選手たちも参戦

このイベントには、ゴルフ史に名を刻む数々のレジェンドたちが参戦しました。第1回大会には、ジャック・ニクラス、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソンという、まさに「ビッグ4」が集結しました。

その後も、フレッド・カプルス（「Mr. Skins」の愛称で親しまれた）やタイガー・ウッズ、アニカ・ソレンスタムといったスター選手が出場し、数々の名勝負を繰り広げました。

他のゲーム形式との違いは？

ゴルフにはスキンズゲーム以外にも様々な競技方法があります。ここでは、代表的な「ストロークプレー」と「マッチプレー」との違いを解説します。

ストロークプレーとの違い

ストロークプレーは、18ホールの合計打数で勝敗を決める、最も一般的な競技方法です。 一方、スキンズゲームは1ホールごとに勝敗が決まります。

そのため、ストロークプレーでは1つのホールで大叩きしてしまうと挽回が難しいですが、スキンズゲームなら次のホールで気持ちを切り替えてスキンを獲りにいけます。この「ホールごとのリセット」が大きな違いです。

マッチプレーとの違い

マッチプレーもホールごとに勝敗を決めますが、スキンズゲームとは少し異なります。マッチプレーは基本的に1対1で戦い、各ホールで勝ったか、負けたか、引き分けたかを記録し、最終的に勝ち越したホールの数が多い方が勝利となります。

スキンズゲームとの最大の違いは、引き分け（タイ）の扱いです。マッチプレーでは引き分けは「ハーフ」となり、そのホールのポイントは0.5ポイントずつ分け合うか、あるいはどちらにもポイントが入らないだけです。しかし、スキンズゲームではスキンが次のホールにキャリーオーバーされるため、よりギャンブル性が高く、エキサイティングな展開になりやすいのです。

まとめ：スキンズゲームでいつものゴルフをよりエキサイティングに！

スキンズゲームは、シンプルなルールでありながら、ゴルフの新たな楽しみ方を発見させてくれる魅力的なゲーム形式です。ホールごとに勝敗が決まり、引き分けが続けば賞金がどんどん膨らんでいくキャリーオーバーの仕組みは、参加者全員をハラハラドキドキさせてくれることでしょう。

ハンデを設定すれば初心者から上級者まで一緒に楽しめますし、何より仲間とのコミュニケーションが深まるきっかけにもなります。次のラウンドでは、ぜひスキンズゲームを取り入れて、いつもとは一味違うエキサイティングなゴルフを楽しんでみてはいかがでしょうか？