平均ストロークとは？プロの記録で実力がわかる！

平均ストロークってなに？

ゴルフ好きなら一度は耳にする「平均ストローク」。これは、1ラウンドあたりの平均打数のことで、自分のゴルフの実力を客観的に知るための大切な指標だ。トーナメント中継などでも、選手の強さを示すデータとしてよく使われている。

計算方法はとてもシンプル。例えば、3ラウンドしてスコアがそれぞれ90、88、92だったとしよう。この場合、合計打数の270をラウンド数の3で割った「90」が、あなたの平均ストロークになる。定期的に計算して、自分の成長をチェックするのも面白いだろう。

あなたのレベルは？アマチュアゴルファーの平均ストローク

自分の平均ストロークが、他のアマチュアゴルファーと比べてどのくらいの位置にいるのか、気になるところだろう。もちろん、ゴルフ歴や練習量によってスコアは大きく変わるが、一般的なレベル分けの目安を知っておくと、目標設定の参考になる。

ある調査によると、アマチュアゴルファー全体の平均スコアは100前後と言われている。もちろん、これはあくまで平均値。コースデビューしたばかりの初心者は120〜160くらいになることも珍しくないから、最初のうちはスコアを気にしすぎず、ゴルフを楽しむことが一番大切だ。

スコア100切りを目指す人の平均ストローク

ゴルフを始めた人の多くが最初の大きな目標にするのが「100切り」。全ゴルファーの中でも100切りを達成しているのは3割ほど、というデータもあるくらい、実は結構ハードルが高い。

100切りを目指すレベルの人は、平均ストロークでいうと100〜110台くらいが一般的だろうか。この段階では、大きなミスを減らして、すべてのホールでダブルボギー（+2打）以内に収めることを意識するのがスコアメイクの鍵になる。無理にパーを狙いにいかず、まずは安定してボギーやダブルボギーで回るゴルフを目指そう。

中級者・上級者の平均ストローク

安定して100を切れるようになると、いよいよ中級者の仲間入りだ。平均ストロークが90台になってくると、周りからも「うまいね！」と言われることが増えるはず。次の目標として「90切り」が見えてくるだろう。

90切りを達成し、平均ストロークが80台になってくると、もう立派な上級者。ゴルファー全体の上位約2割しかいないレベルだ。

プロは異次元！ツアーで見る平均ストロークの世界記録

アマチュアゴルファーがしのぎを削るスコアの世界。しかし、プロゴルファーの世界は、まさに異次元のレベルだ。彼らが戦うツアーでは、平均ストロークが選手の強さを測る重要な指標として扱われていて、特に海外ではこのタイトルは非常にステータスが高いとされている。プロの平均ストロークは、基本的にパープレー（72）を下回るアンダーパーの世界。トッププロともなると、年間を通して平均ストロークが60台という驚異的な数字を記録することもある。アマチュアが目指すスコアとは、基準が全く違うことがわかるだろう。これから、国内外のツアーでどんなすごい記録が生まれてきたのか、詳しく見ていこう。

どうやって計算してるの？ツアーごとの算出方法

一口に平均ストロークと言っても、実はツアーによって計算方法が少し違う。より公平なデータを出すために、それぞれ工夫がされているのだ。

例えば、米国の女子ツアー（LPGA）は、総ストローク数を単純に総ラウンド数で割る、というシンプルな計算方法。一方で、日本の女子ツアー（JLPGA）では、ほとんどの試合がパー72で行われるが、パー72以外のコースの場合は「ストローク数 ÷ コース所定パー × 72」という計算式でパー72に換算して調整している。

さらに、米国の男子ツアー（PGAツアー）や日本の男子ツアー（JGTO）はもっと複雑だ。大会ごとのコースの難易度や、その日の天候によるスコアの出やすさまで考慮して、「調整ストローク」という数値を加味して計算している。これによって、難易度が違うコースでプレーした選手たちの実力を、より公平に比較できるようになっているのだ。

【日本男子ツアー】JGTOの歴代記録

日本男子ツアー（JGTO）で、今もなお燦然と輝く記録を持っているのが、あのジャンボ尾崎選手だ。1996年に記録した平均ストローク「68.92」は、いまだに破られていない歴代1位の記録である。しかも、ジャンボ選手は1996年、1997年にも68点台をマークしていて、彼が平均ストローク69を切ったのはこの2回だけだ。まさに圧倒的な強さだったことがわかる。

近年では、2013年の松山英樹選手や2018年の今平周吾選手などが70を切る素晴らしい記録を出しているが、ジャンボ選手の記録がいかに偉大かが際立つだろう。

【日本女子ツアー】JLPGAの歴代記録

日本女子ツアー（JLPGA）では、近年レベルアップが著しく、記録の更新が続いている。2019年に申ジエ選手がツアー史上初めて70を切る「69.9399」を記録。そして、2023年には山下美夢有選手がそれをさらに更新するツアー新記録「69.4322」をマークした。山下選手は2年連続で平均ストローク70切りを達成していて、今の女子ツアーのレベルの高さを象徴している。

【米国男子ツアー】PGAツアーの歴代記録

世界最高峰のPGAツアーに目を向けると、やはりあの選手の名前が歴史を独占している。そう、タイガー・ウッズだ。PGAツアーの歴代平均ストローク記録は、なんとトップ10のうち上位6つをタイガーが占めている。

その中でも最もすごい記録が、2000年と2007年に記録した「67.79」という驚異的な数字。2000年のタイガーはメジャー3勝を含む年間9勝を挙げるなど、まさに無敵の強さを誇っていた年だ。この記録は、今後誰にも破れないアンタッチャブルレコードと言えるかもしれない。

【米国女子ツアー】LPGAツアーの歴代記録

米国女子ツアー（LPGA）にも、伝説的な記録が存在する。その記録保持者は、女子ゴルフ界のレジェンド、アニカ・ソレンスタムだ。彼女が2002年に記録した平均ストローク「68.697」は、LPGAツアー史上最高の記録として今も残っている。

彼女は2004年にも同じ平均ストロークを記録しているが、規定ラウンド数に達していなかったため、公式記録とはなっていない。アニカ・ソレンスタムは、LPGAツアーで初めて平均ストローク70を切った選手でもあり（1998年）、その後の女子ゴルフのレベルを大きく引き上げた存在なのだ。

平均ストロークを縮めるための3つの近道

自分の平均ストロークを良くしたい！そう思ったら、闇雲に練習するだけではなく、スコアに直結するポイントを意識することが大切だ。ゴルフは「いかに少ない打数で上がるか」を競うスポーツだから、大きなミスを減らすことがスコアアップの一番の近道である。

具体的には、以下の3つのポイントに絞って練習と考え方を見直してみよう。この3つを改善するだけで、驚くほどスコアが安定してくるはずだ。

• 大叩きを防ぐ！ティーショットの考え方
• スコアに直結！100ヤード以内の精度を上げる
• パット数を減らすための練習法と考え方

次の項目から、それぞれ詳しく解説していこう。

大叩きを防ぐ！ティーショットの考え方

スコアを崩す一番の原因は、なんといってもティーショットのOBだろう。1打罰の上、打ち直しになるので大きなロスになってしまう。これをなくすだけで平均ストロークはぐっと良くなるのだ。

OBを減らすための考え方で一番大切なのは、「ドライバーにこだわらない」こと。フェアウェイが狭いホールや、左右にOBゾーンが迫っている場面では、無理せずフェアウェイウッドやユーティリティ、時にはアイアンで刻む勇気を持とう。飛距離を少し犠牲にしても、確実にフェアウェイにボールを置くことが、結果的に大叩きを防ぎ、良いスコアにつながる。

また、コースの広い方を狙うのも鉄則だ。例えば右サイドがOBなら、ティーグラウンドの右側に立って、コースの左サイドを狙うようにすると、視覚的にも安心感が生まれてミスが出にくくなる。

スコアに直結！100ヤード以内の精度を上げる

ティーショットでOBをしないゴルフができるようになったら、次に重要なのが100ヤード以内のショットの精度だ。アマチュアゴルファーのスコアは、この距離のショットとパットで決まると言っても過言ではない。

パー4のホールなら、2打でグリーン周りの100ヤード以内に運べれば、そこから2打で寄せて、2パットで収めればボギー。もし1打で寄せられればパーも狙える。この「100ヤード以内を3打以内で上がる」という意識を持つことがスコアメイクの鍵になる。

練習場では、フルショットばかりではなく、アプローチウェッジやサンドウェッジを使って、振り幅を変えながら距離を打ち分ける練習をたくさんしよう。自分の「この振り幅なら何ヤード飛ぶ」という基準をいくつか持っておくと、コースでの自信につながる。

パット数を減らすための練習法と考え方

ゴルフスコアの約4割を占めると言われているのがパッティングだ。つまり、パット数を1つでも減らせれば、それがそのままスコアアップに直結する。特に避けたいのが「3パット」だ。

3パットをなくすために最も重要なのは、ファーストパットの距離感を合わせること。長い距離のパットで、カップに入れることばかり考えると、力が入りすぎて大オーバーしたり、逆にゆるんで全然届かなかったりする。まずは「カップを中心に半径1mの円」をイメージして、その円の中にボールを収めることを目標にしよう。そうすれば、次のパットは短い距離で済むから、3パットの確率をぐっと減らせるのだ。

練習では、ただ漠然と打つのではなく、歩測して「5歩の距離」「10歩の距離」というように、具体的な距離を決めて、その距離感に合った振り幅を体に覚え込ませるのが効果的だ。

まとめ：平均ストロークを意識してゴルフIQを高めよう！

今回は、ゴルフの「平均ストローク」について、アマチュアのレベル分けからプロの異次元な記録、そしてスコアを縮めるための具体的な方法まで、幅広く解説してきた。平均ストロークは、君のゴルフの実力を客観的に示してくれる、いわば「ゴルフの成績表」のようなものだ。

自分の平均ストロークを定期的に記録することで、自分の強みや弱点が数字としてハッキリと見えてくる。「最近ドライバーが安定してきたから平均ストロークが良くなったな」とか、「パット数が多すぎるから、ここを改善すればもっとスコアが縮まるはずだ」といったように、具体的な課題が見つかるのだ。

最近では、スマホアプリで簡単にスコア管理ができるから、ぜひ活用してみてほしい。フェアウェイキープ率やパーオン率、パット数などを記録していけば、より詳細な分析ができて、練習の質もきっと上がるはずだ。平均ストロークを意識して、コースマネジメントを考える「ゴルフIQ」を高めていけば、君のゴルフはもっと楽しく、もっと上達するだろう。