FIRとは？フェアウェイキープでスコアアップ！

FIRってなに？スコアの鍵を握る重要指標

ゴルフ中継や雑誌で「FIR」というアルファベット3文字、見たことありませんか？なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、実はスコアアップを目指すすべてのゴルファーにとって、とっても大切な指標なんです。

このFIRを意識するだけで、あなたのゴルフの考え方がガラッと変わるかもしれません。今回は、そんなスコアメイクの鍵を握るFIRについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます！

まずは基本！FIRの正しい意味

FIRとは、「Fairway In Regulation（フェアウェイ・イン・レギュレーション）」の略で、日本語では「フェアウェイキープ率」と呼ばれています。 具体的には、パー3のホールを除いたすべてのホールで、1打目のティーショットがフェアウェイに着地した割合を示すデータのことです。

この数値が高ければ高いほど、ティーショットが正確だった、ということになります。 ティーショットがラフやバンカーなどのハザードに行ってしまった場合は、フェアウェイキープにはなりません。自分のティーショットの安定性を測るための、いわば「成績表」のようなものと考えると分かりやすいでしょう。

なぜフェアウェイキープが大切なの？

「ラフからでもボールは打てるし、なぜそんなにフェアウェイキープが大切なの？」と思うかもしれませんね。もちろんその通りですが、安定したスコアを目指す上では、フェアウェイから次のショットを打つことには大きなメリットがあるんです。

最大の理由は、フェアウェイという最も良いライ（ボールの状態）から2打目を打てることです。 フェアウェイは芝がきれいに短く刈り揃えられているため、ボールとクラブフェースの間に余計な芝が挟まりにくく、クラブ本来の性能を最大限に引き出して安定したショットが打ちやすくなります。

一方、芝の長いラフからは、芝の抵抗で飛距離が落ちたり、クラブに芝が絡んで方向性がブレたりと、様々なミスショットのリスクが高まります。 ティーショットをフェアウェイに置くことは、こうした予測不能なミスを避け、次のショットを成功させるための最高の準備と言えるでしょう。

あなたのFIRは？計算方法と目標値

FIRの重要性がわかったところで、次に気になるのは「自分のFIRはどれくらいなんだろう？」ということですよね。ここでは、簡単な計算方法から、あなたのレベルに合わせた目標値まで、詳しく見ていきましょう。

計算方法は意外とカンタン！

FIRの計算方法はとってもシンプルで、ラウンド後すぐに自分でも計算できますよ。

（フェアウェイをキープしたホールの数）÷（パー3を除くホールの数）× 100 = FIR（%）

例えば、一般的な18ホール（パー3が4ホール）のコースをラウンドしたとします。この場合、FIRの対象となるホールはパー4とパー5を合わせた14ホールです。 そのうち、ティーショットが7回フェアウェイをキープできた場合、計算式は「7 ÷ 14 × 100 = 50%」となり、このラウンドのFIRは50%となります。 最近はスコア管理アプリが自動で計算してくれることも多いですが、自分で計算できると、自分のプレーをより深く分析できますよ。

プロとアマチュアの平均FIRを比較

では、プロゴルファーは一体どれくらいの確率でフェアウェイをキープしているのでしょうか？アマチュアの平均値と比較してみましょう。

男子プロゴルファーの平均FIRは、ツアーにもよりますがおよそ60%〜70%程度です。 「日本一曲がらない男」との呼び声も高い稲森佑貴選手のように、80%近い驚異的な数字を記録する選手もいます。 一方、女子プロは男子プロよりも高い傾向にあり、平均で70%を超えることも珍しくありません。

対して、アマチュアゴルファーの平均は、スコア100前後の人で約40%未満、90台でラウンドする人で約40%〜50%程度が目安とされています。 プロの数字がいかに高いかがよく分かりますね。

ハンディキャップ別！目指すべき目標値

自分のレベルに合わせて現実的な目標を立てることが、上達への近道です。 ここでは、スコアレベル別に目指したいFIRの目安を紹介します。

スコアレベル	FIR目標値（目安）
100切り目標	40%
90切り目標	50%
80台目標	60%以上
シングル	70%以上

100切りを目指すゴルファーは、まず40%を目標にしてみましょう。 パー3を除く14ホールのうち、5〜6ホールでフェアウェイに運べれば十分です。何よりもOBを避けることを最優先に考えましょう。

90切りを目指すなら、目標は50%にアップします。 14ホールのうち、半分の7ホールでフェアウェイをキープできれば、大叩きのリスクを大きく減らすことができます。

80台で回るためには、60%以上が目安です。安定してフェアウェイから2打目を打てる確率を高めることが、パーを狙う上で重要になってきます。

FIRとGIR、スコアアップに欠かせない両輪

FIRと合わせて覚えておきたいのが「GIR」という指標です。この2つは密接に関係しており、両方を意識することで、あなたのゴルフはさらにレベルアップするはずです。

GIR（グリーンインレギュレーション）との関係性

GIRとは「Green In Regulation（グリーン・イン・レギュレーション）」の略で、日本語では「パーオン率」と呼ばれます。 パーオンとは、各ホールの規定打数から2を引いた打数以内でグリーンにボールを乗せることです。例えば、パー4のホールなら2打でグリーンオンすることを指します。

そして、FIR（フェアウェイキープ率）とGIR（パーオン率）には、非常に強い相関関係があります。 当然ですが、打ちやすいフェアウェイからの方が、グリーンを正確に狙いやすくなりますよね。 実際に、ラフから打つ場合に比べて、フェアウェイからの方がグリーンに乗せられる確率は格段に上がると言われています。

FIRを向上させることで、自然とパーオンのチャンスが増える。この「FIR→GIR」という流れは、スコアを安定させ、さらに上のレベルを目指すための黄金ルートなんです。

明日から実践！フェアウェイキープ率を上げるコツ

「目標は分かったけど、どうすればFIRは上がるの？」と思いますよね。特別な練習器具や難しいスイング理論は必要ありません。実は、ちょっとした「考え方」や「意識」を変えるだけで、あなたのフェアウェイキープ率は改善する可能性があります。 ここでは、明日からのラウンドですぐに実践できるコツをご紹介します。

ティーショットの考え方を変える

フェアウェイキープ率を上げるには、技術だけでなくコースマネジメントが非常に重要です。

まず、「マン振り」をやめて、8割程度の力感でコントロールを重視することから始めましょう。 飛距離を少し犠牲にしても、ボールが曲がりにくくなるメリットの方が大きい場合が多いです。

次に、ティーイングエリアに立ったら、コースの最も広いエリアを狙うようにしましょう。 フェアウェイの真ん中を漠然と狙うのではなく、バンカーや池などのハザードを避け、もし曲がってしまってもラフに残るような安全なルートを選択することが大切です。 自分の持ち球（ドローやフェードなど）を理解し、それを計算に入れてターゲットを設定するのもプロが行うテクニックです。

クラブ選択で確率を上げる

ティーショットは、必ずしもドライバーで打つ必要はありません。 ホールが狭かったり、距離が短かったり、あるいはドライバーの調子が悪かったりする場面では、フェアウェイウッド（FW）やユーティリティ（UT）、アイアンを選択する勇気も必要です。

一般的に、ドライバーよりもシャフトが短いクラブの方がミートしやすく、方向性も安定します。 飛距離が少し落ちたとしても、難しいラフから長い距離を打つよりも、フェアウェイから得意な距離のショットを打つ方が、結果的に良いスコアに繋がるケースは非常に多いのです。自分が最も自信を持ってフェアウェイに運べる「得意クラブ」を見つけておくことも、スコアメイクの鍵となります。

すぐできる効果的な練習ドリル

練習場で方向性を安定させるための簡単なドリルをいくつか紹介します。明日からすぐに試せるものばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。

まとめ：FIRを理解してゴルフをレベルアップ！

今回は、スコアアップの鍵を握る重要な指標「FIR（フェアウェイキープ率）」について解説しました。

FIRは、単なるティーショットの正確性を示すデータというだけではありません。FIRを高めることは、2打目を優位に進め、パーオン率（GIR）を向上させ、結果的にスコアを安定させるための最も重要な土台作りなのです。

飛距離を追い求める楽しさもゴルフの魅力ですが、これからは少しだけ「フェアウェイにボールを運ぶ」という視点を加えてみてください。自分のFIRを記録し、目標を設定することで、練習の質もラウンドの戦略性も大きく変わってくるはずです。FIRを賢く活用して、あなたのゴルフを一段階レベルアップさせましょう！