パーオンとは?初心者にもわかりやすく解説
「パーオンって何?」「プロはどのくらいパーオンしているの?」と疑問に思ったことはありませんか?
ゴルフ中継やゴルファー同士の会話で「今日はパーオン率が良かった」などと耳にすることがあります。実はこのパーオン率を上げることが、スコアアップの大きな鍵になるんです。
パーオンの基本的な定義
パーオンとは、規定打数(パー)より2打少ない打数でグリーンにボールを乗せることです。
つまり、カップインまでに残り2パットの余裕を持った状態でグリーンに到達できれば「パーオン」と呼ばれます。
パーオンできると、2パットでパーを取ることができ、1パットでバーディを狙うチャンスも生まれます。スコアメイクにとって非常に重要な要素なんですね。
ホールごとのパーオン条件(パー3・パー4・パー5)
ホールのパー(規定打数)によって、パーオンの条件は異なります。
パー3の場合:
1打目のティーショットでグリーンに乗れば、パーオンです。
パー4の場合:
2打目でグリーンに乗せることができれば、パーオンとなります。
パー5の場合:
3打目でグリーンに乗せることができれば、パーオンです。
例えば、パー4のホールでティーショットがフェアウェイに落ち、2打目でグリーンに乗せることができれば「パーオンした」と言えます。
パーオンとグリーンオンの違い
「パーオン」と「グリーンオン」は似ているようで異なる概念です。
グリーンオン:単純にボールがグリーンに乗ること
パーオン:規定打数より2打少ない状態でグリーンオンすること
例えば、パー4のホールで4打目にグリーンに乗せた場合は「グリーンオン」ではありますが、「パーオン」ではありません。
パーオン率とは?スコアアップに重要な指標
パーオンを数字で表したのが「パーオン率」です。この数値を知ることで、あなたのゴルフの特徴や課題がわかるようになります。
パーオン率の計算方法
パーオン率の計算式はシンプルです。
パーオン率(%)= パーオンしたホール数 ÷ 総ホール数(通常18) × 100
例えば、18ホール中3ホールでパーオンした場合のパーオン率は以下のようになります。
3 ÷ 18 × 100 = 16.7%
リッキオの法則でわかるスコアとの関係
パーオン率とスコアの関係を示した「リッキオの法則」というものがあります。USGAのハンディキャップ委員会メンバーだったルウ・リッキオ氏が提唱した法則です。
この法則は以下の式で表されます:
18ホールのスコア = 95 – (2 × パーオン数)
例えば、1ラウンド中に4ホールでパーオンできれば:
95 – (2 × 4) = 95 – 8 = 87
つまり理論上、スコアは87になる計算です。
自分のゴルフの課題を発見するヒント
パーオン率が高いのにスコアが悪い場合、それはパッティングに課題がある可能性が高いです。
逆に、パーオン率が低いのにスコアが比較的良い場合は、寄せやパッティングが優れていると言えるでしょう。
自分のパーオン率を知ることで、「ティーショットやアイアンショットを強化すべきか」「パッティングを練習すべきか」など、練習の方向性が見えてきます。
スコア別のパーオン率目安
実際にスコア別のパーオン率の目安を見てみましょう。これを参考に、自分の目標に合わせた練習計画を立てるとよいでしょう。
プロゴルファーのパーオン率
プロゴルファーのパーオン率は驚くほど高いです。
男子プロ:平均約65〜75%
女子プロ:平均約60〜70%
つまり、18ホール中12〜14ホールでパーオンしていることになります。これがプロとアマチュアの大きな違いの一つです。
100切りを目指す人のパーオン率(約0%)
驚くかもしれませんが、100切りを目指すゴルファーは、パーオン率は0%でも十分達成可能です。
リッキオの法則を当てはめると、0ホールのパーオンでも:
95 – (2 × 0) = 95
となり、95のスコアになる計算です。
つまり100切りには、パーオンよりも「ボギーオン」を確実にすることが大切です。練習では寄せやパッティングを重点的に取り組みましょう。
90台を目指す人のパーオン率(約17%)
90台を安定して出すには、約17%のパーオン率が目安となります。これは18ホール中約3ホールでパーオンすることに相当します。
リッキオの法則を当てはめると:
95 – (2 × 3) = 95 – 6 = 89
となり、89のスコアになる計算です。
パー3ホールなど、比較的パーオンしやすいホールを見極めて、集中して狙うと良いでしょう。
80台を目指す人のパーオン率(約44%)
80台のスコアを目指すなら、約44%のパーオン率が必要です。これは18ホール中約8ホールでパーオンすることに相当します。
リッキオの法則を当てはめると:
95 – (2 × 8) = 95 – 16 = 79
となり、79のスコアになります。
この段階ではアイアンショットの精度アップが特に重要になってきます。
スコア帯 | 必要なパーオン率 | パーオンホール数(18ホール中) |
---|---|---|
100台 | 0% | 0ホール |
90台 | 約17% | 約3ホール |
80台 | 約44% | 約8ホール |
70台 | 約55%以上 | 10ホール以上 |
ボギーオンの重要性
パーオンが難しいアマチュアゴルファーにとって、実は「ボギーオン」という考え方がとても役立ちます。
ボギーオンとは?
ボギーオンとは、規定打数(パー)より1打少ない打数でグリーンにボールを乗せることです。
例えば:
– パー3のホールなら2打目
– パー4のホールなら3打目
– パー5のホールなら4打目
でグリーンに乗せることを指します。
アマチュアがまずボギーオンを目指すべき理由
ボギーオンを意識することには、いくつかの大きなメリットがあります。
- 達成しやすい目標設定:パーオンよりも達成率が高く、成功体験を積みやすい
- 安定したプレー:余裕を持ったショット選択ができ、OBなどの大きなミスが減る
- メンタルの安定:「必ずパーオンしなければ」というプレッシャーから解放される
- スコアの安定:全ホールボギーでも90点となり、100切りは十分可能
特に100切りを目指す初心者や中級者にとって、「パーオンにこだわりすぎない」という考え方はとても重要です。
ボギーオンからのスコアメイク方法
ボギーオンからスコアをまとめるコツは以下の通りです。
- 確実に2パットでカップイン:3パットを避けることが最優先
- 時には寄せワン:距離感の良いアプローチで、たまにパーを取る
- 難しいホールは割り切る:条件の厳しいホールではボギーで納得する
すべてのホールでボギーを取れば90点。いくつかのホールでパーを取れば90を切ることも十分可能です。
パーオン率を高める実践テクニック
パーオン率を高めたい方に、具体的なテクニックをご紹介します。
ドライバーショットは方向性を重視する
パーオンには、まずティーショットの成功が不可欠です。
特にパー4やパー5では、ドライバーショットをフェアウェイに残せるかどうかがカギとなります。飛距離よりも方向性を優先しましょう。
実践ポイント:
– 7〜8割の力でスイングし、コントロールを重視する
– 得意な弾道を把握し、それを活かしたティーショット戦略を立てる
– OBが出やすい方向を避けるセットアップを心がける
アイアンショットの精度を上げるコツ
パーオン率向上の最大のカギは、アイアンショットの精度です。
実践ポイント:
– ボールポジションを一定に保つ
– 距離に応じた適切なクラブ選択を心がける
– グリーンの手前に落とすつもりで打つ(手前アプローチよりもオーバーの方が難しい)
– 練習場では、目標を絞った的当て練習を取り入れる
効果的なコースマネジメント
良いショットができても、戦略が間違っていればパーオンは難しくなります。
実践ポイント:
– ラウンド前にコースレイアウトを確認し、各ホールの戦略を立てる
– ハザードの位置を把握し、避ける方法を考える
– 風の強さや方向を考慮したクラブ選択をする
– 無理にピンを狙わず、グリーンの安全な場所を狙う
パーオンを狙う際の注意点
パーオンを狙うことは大切ですが、むやみに狙いすぎるとかえってスコアを崩す原因になります。
無理なパーオン狙いがスコアを崩す理由
無理なパーオン狙いの落とし穴は以下の通りです。
- リスクの高いショットによるペナルティ:OBやハザードに入る確率が上がる
- 力みによるミス:「絶対に届かせよう」という意識から、スイングが乱れる
- 焦りからの連続ミス:1つのミスから取り返そうとして、さらに大きなミスをする
スコアを安定させるには、時には「パーオンを諦める」決断も必要です。
状況に応じた戦略の選び方
スコアをまとめるために、状況に応じた適切な戦略選択が必要です。
パーオンを狙うべき状況:
– 障害物が少なく、比較的易しいホール
– 得意なクラブで攻められる距離
– 調子が良く、自信がある時
パーオンを諦めるべき状況:
– 障害物が多く、リスクが高いホール
– 苦手なクラブを使わなければならない状況
– 風や傾斜など、条件が厳しい時
プレッシャーを感じない心構え
メンタル面の管理もパーオン率向上には重要です。
- 「絶対に」ではなく「チャレンジする」という気持ちでプレーする
- 1つのホールの結果を引きずらない
- 自分のできる範囲でのベストを尽くす意識を持つ
パーオン成功後のスコアメイク
パーオンに成功したら、そこからスコアをどうまとめるかが重要です。
2パットでパーを確実に獲る方法
パーオン後の2パットは「バーディを狙うのではなく、パーを確実に取る」という考え方が基本です。
実践ポイント:
– 1パット目は「カップに寄せる」意識で、距離感を重視
– 下りのパットは特に慎重に、スピードコントロールを意識
– カップまでのラインをしっかり読む(傾斜、芝目など)
パーオン率とパット数のバランス
パーオン率が高くても、3パットが多ければスコアは伸びません。
例えば:
– パーオン率50%(9ホール)でも、平均2.5パットならスコア86.5
– パーオン率30%(5〜6ホール)でも、平均1.8パットならスコア84〜85
パッティングの練習も同時に行うことが、本当のスコアアップにつながります。
アマチュアに最適なパーオン戦略
多くのアマチュアゴルファーに適した戦略は以下の通りです。
- パー3:確実にグリーンを狙う(パーオン狙い)
- パー4:距離に応じて判断
- 短いパー4:パーオンを積極的に狙う
- 長いパー4:ボギーオンを基本とし、状況が良ければパーオンを狙う
- パー5:基本はボギーオンを目指し、チャンスがあればパーオンに挑戦
パーオンを意識してゴルフを楽しもう
パーオンの概念を理解し、自分のレベルに合った目標設定をすることで、ゴルフはより楽しくなります。
初心者の方は「パーオン数を増やす」という目標よりも、まずは「ボギーオンの確率を上げる」ことから始めてみてください。
そして中級者以上の方は、少しずつパーオン率を高める練習を取り入れていくとよいでしょう。
最も大切なのは、自分のゴルフの課題を正確に把握し、的を絞った練習をすることです。パーオン率が上がれば、自然とスコアも良くなっていきます。
まずは次のラウンドで、パーオン率を意識してプレーしてみてください。新たなゴルフの楽しみが見つかるはずです!